木曽川流域 | Kisogawa Basin.

"行く川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたかは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある、人と栖と、またかくのごとし。"
—方丈記 鴨長明

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2021年9月10日のことでした。
以前から心身に不調を感じていた私は、心療内科を受診しました。医師の診断結果は「うつ病」でした。現実に圧倒された私は、数週間、何もできずに呆然としていました。頭の中では悲観的な考えがグルグルと回っていました。生きていることが苦痛で、絶望感でいっぱいでした。

やがて散歩ができるようになり、子供の頃から慣れ親しんできた木曽川流域を散策するようになりました。そうしていくうちに、周りの景色が心を落ち着かせてくれました。やがて心の中の執着を捨てて、自然の流れに身を任せたいという思いが、私の中に生まれてきました。

そこで、木曽川流域の風景を記録することにしました。最初は身近なところから始め、興味が深まるにつれて、もっと広い流域を記録したいと思うようになりました。うつ病の典型的な症状である日内変動により、午後からしか活動できなかったので、夕方の優しい光で多くの場所の撮影を試みました。